バカボンのパパの年齢を過ぎたのもビックリだったけどね、
とうとう係長高橋義夫の年齢に到達した。
「係長高橋」を作ったのはまだ20代後半の頃だったから、
それはそれは勝手な42歳のイメージ像だったもんだ。
その後本当に河口湖近辺に住むことになったり、
テレビ山梨見て寝るだけのこともあったり、
でも通勤は徒歩5分だったし、娘とかいないし、痴漢もしてないけど(笑)、
来るべきときは来るもんでして。
とかなんとか言いながら42歳っていう年齢は実はどうでもよくて、
俺の中で大きいのは昨日は初めてギターというものを買ってからちょうど30年たったという記念すべき日だってこと。
小6で、もうすぐ中一になるっていうときの3月11日の誕生日に、
親に買ってもらったモーリスギター。
弾けるようにはなりたかったけど、弾くマネだけで、アポロキャップ(アリスの谷村新司がいつもかぶってた)をかぶってアリスになりきるだけでよかった。
でもいつしか弾けちゃって、便宜上(!?)歌もついでに歌ったほうが雰囲気も出るし、
みたいになって、翌年には生意気にもオリジナルなんぞ作ってた。
アリス好きな相方にも出会っちゃったりして、プウリッチュっていうグループ(バンドでもユニットでもない、そう、グループね)を作り、
そのあたりからはもう毎日音楽のことばっかり考えてた。
昨日3月11日は偶然にも水曜日で、
これまた偶然にも谷村新司が上野にあるクラシックの殿堂、東京文化会館でライブをやった。開演は午後3時。俺が42年前に生まれた時刻も午後3時。
ギターを手にしてから30年。
こんなめぐり合わせに行かないほうがおかしいと思い、行ってきた。
平日の午後3時にそんな人たくさん来ないと余裕ぶっこいて当日券で行ったけど、
売り切れも近いくらいに満員だった。スゲェよチンペイさん。
完全フルオーケストラ。チンペイさんの歌い方に往年の迫力はなく、渋く歌う感じになってきてるんで、5階席の俺にはところどころ聴こえない部分はあったけど、
本来ならベーヤンが歌う「遠くで汽笛を聞きながら」とか「秋止符」を聞けたのが嬉しい。
でも昨日一番良かったのは今更ながらに「昴」だった。
「昴」は中学時代に死ぬほど人前で歌ったり、
高校の修学旅行の出し物みたいなときも宴会場で歌わされたり、
ザ・ベストテンとかでも散々見てきて、正直とっくに飽きてた。
でもこの曲の深みというかそういうのに気付くのって今くらいの年齢なんだろうなぁって
実感した。そういえば「昴」を中高時代に歌ってたのは大人のお客さんからのウケが絶大によかったっていうのもあった。なるほどねって感じ。
今年、アリスがツアーするらしい。行く。何があっても。理想は大阪とか神戸とか、いや、超理想は西宮市民会館(俺も住んでたとこだしアリスが初めてコンサートをした場所でもある)で見たいもんだ。
冗談でも誇張でもなく、アリスがいなかったら俺は音楽をやってない。
そしてこの30年間、頭の中心から音楽が外れたことがない。
学習塾や喫茶店をやってるときなど、一日の大半は音楽のことは考えてはいないんだけど、
それでも常に中心には音楽がある。
昨日のコンサートの一人帰り道、42年間のことじゃなく、この30年のことを思った。30年あまりに音楽一色過ぎて、音楽やってなかったら何やってたんだろう・・
当時、音楽以外に夢中になってたことってサッカーくらいだから、
サッカー選手とか目指して限界を感じ挫折して・・くらいしかイメージも湧かない。
いや、ただの興味本位だけど、音楽をやってなかった場合の自分の人生っていうものに、
単純に興味が湧きながら、帰途の夜空に昴は見えなかったが、
鮮やかすぎる満月が煌々と輝くそんな夜だった。