悪徳業者とサイフォンと(裏・文明通信9月号)
文明通信の9月号はまだアップ出来てませんが、
今回、裏のほうを先にアップしちゃいます。史上初です。
まずちょっと重要なお知らせ、来週の月曜9月8日~12日(金)まで、
お店を休ませていただきます。のでよろしくです。
さて、「表」のほうでは今月の逸品コーナーは「サイフォン」。
サイフォンで思い出すことがある。
開業当初、危うく引っかかるところだった、
とある悪徳(敢えて言っとこう)デザイン会社のこと。
詳しくは文明ロードVol.22「設計・内装のドタバタ劇」
http://blog.goo.ne.jp/coffeebunmei/m/200706
を参照してもらうとして、
そこの会社、デザイン会社というよりも「開業までのトータルサポート会社」
みたいなのを売りにしてることもあってか、それが見事に裏目に出てる会社だった。
「お客さん一人一人にサイフォンごと提供するかたち」という話をすると、
そこの専務いわく「サイフォンがそれだけ多く必要になり、コストがかかりますねぇ」
とここまではいいとしよう、
その後続けて「ガラス器具だから破損も多く、ランニングコストがかかりますよ」と。
それを聞いた俺はロート部分は確かに割れやすいとは思ったけど、
お客さんのところに持って行くフラスコ部分はそう簡単に割れないよなぁ、
今まで俺、割ったことないしなぁ、床はフローリングだしなぁ、
でもそう言われると自信ないなぁ、数が違うんだし、やっぱり割れるのかなぁ、
うん、割れるんだろうなぁ、でもそんなに多く割れる気はしないなぁ・・・」
とか思っていながら、その後もそこの専務は、
「サイフォンごと提供し、お客様自身が注ぐ形式」←「自分で注ぐなんて嫌だよ、
注いでよ、っていうお客さんも出てきますよ」
「熱いカレーがパンの中に入ってる」←「手を火傷する人が出てきますよ」
「天井の空色が時間で変わる」←「お客さんはおいしいコーヒーを飲みに来るんであって、
天井見上げに来るわけじゃないですからね。首も痛くなっちゃいますよ。」
上記の3つのコンセプトは確かに珍しいからこの世の事例はない、または少ないわけで、
少なくともこのデザイン会社が手がけたお店ではこの3つのうちのひとつでもやってるところはないはずだった。
だからこの専務は、経験からではなく、全て想像でものを言ってるわけだ。
まぁでもそれはいい、全てが経験からってわけにもいかないだろうし、
驚くのは彼のこの全てにおいてまず否定から入る手法。
こういう難癖つけタイプはこの世に残念ながらたくさんいる。
相手は素人だと思って不安にさせて、鬼の首でもとったような気になってんのかなぁ、
ていうかそもそも商業的にも失敗してるよね、この人。俺に断られたわけだし。
いや、でもいろんな飲食店が結構この会社の内装だったりするんだよなぁ、
まぁ最初からうちみたいな弱小自営店は相手にしてなかったのかなぁ。
ちなみに一年以上たった今、サイフォンのフラスコはまだ、ただの一つも割れていない。
ということを報告し、大切に(いや普通に)扱っていただけているお客様に感謝するとともに裏文明通信と代えさせていただきます。
「裏」っぽいでしょ?今回。表のほうの「サイフォン編」もお楽しみに。