今月の逸品(一品)で紹介してるのは、
当店のフードメニュー人気NO1の「チーズケーキ」。
当店の自家製三本柱である他の二品(チョコレートケーキ、カレーパン)に比べ、
このチーズケーキに関しては、そんなに試行錯誤を繰り返したわけではなかった。
定年を迎えて、初期投資のリスクも少なく(全額自己資金とか)ラーメン屋を開業したおっちゃんのラーメンっていうのが旨いことが多いという話を聞いたことがある。
材料がやたらと本物志向で、スープに使うカツオが○○産で、ネギが△△産、玉子が××鶏からのものを取り寄せて、しかもこのそれぞれをかなりたっぷり使用していたりする。
こんなの旨いに決まってる。
専門家やフードコンサルタント(胡散臭い名前だなぁ)、また特に調理人ではないオーナーは、「そりゃ旨いかもしれないけど、原価率を無視してるし、そういうのを武士の商法っていうんだ。すぐに潰れるね。」と言うだろう。
しかし、旨さ云々はもとより、ビジネス的にも俺はこの
「高品質材料ふんだん系おっちゃん商品」のほうがいいんじゃないかと思う。
もちろん原価が定価を上回ったりしてたら、その店は潰れるんだが、
とにかく売れないことには話にならない。
原価を削るとかのコストカットっていうのは、ある程度の売上が出るようになった店で、
チェーン展開するような店には大事かもしれないが、
弱小の個人店は具材、原料はケチらずにドッカリ使って、
旨いものを出したほうがいいと思う。
「安い原価で、しかも美味しいものを作るのがプロだろ」
ハイごもっとも。それなら俺はケーキ作りのプロじゃない。
でもこの店のチーズケーキが「良質、天然系材料ふんだん系おっちゃん商品」で、
実際一番人気で、チーズケーキを主力商品として販売しているケーキ屋さんの社員からも、
「ここは美味しいねぇ」と言ってもらえてることなど、
「おっちゃん系」の重要性を再認識してる今日この頃なのだ。
ていうか普通に考えて、俺が客だったら、チマチマ具材をケチって作ってるものより、
ドッカリふんだんに入れて作ったものがある店のほうに入りたいなぁと。
赤福にせよなんにせよ、老舗と呼ばれる店は開業当初は、
「良質材料ふんだん系おっちゃん商品」だったはずである。
愚直なまでに単純に、旨いモノを出す、っていう。
金も何もないところからブルースは生まれた。
あれ?話とんだ?