今月の逸品(一品)の「チョコレートケーキ」にまつわる逸話を。
原材料をどんどん引き算していく際に「最終選考」まで残った「異物(!?)」がある。
それは「ブランデー」。
ブランデーを入れるのと入れないのでは、それぞれに持ち味が出た。
ブランデー入りのほうも随分とおいしかった。
ただ若干「デパートのケーキ屋さんの味」っぽかったが、
おいしいことに変わりはなかった。
我がバンド「コブラツイスト&シャウト」のメンバーに食べてもらうことにした。
バンド練習の前日に、「明日、チョコレートケーキ持っていくからね」というメール(もちろん本題は他の用件なんだけど、最後にチョロっと書いた)を出したら、
「(開店前で状況はわかっちゃいるんだけど)やっぱなんかおかしかった。
あのファンシーな文面はキャラじゃないよ」とメンバーに笑われた。
さて、メンバーに試食してもらいたかったのは、もちろんブランデー「入り」と「なし」の2種類の優劣なんだけど、
内容を明らかにしてからじゃやはり公平性に欠けるんで、
見た目は全く変わらない2種類のチョコケーキを食べてもらった。
伝達に難があるんで、それぞれの名を
「シャム」と「ペルシャ」とした。
その内訳はもちろんメンバーに明かさなかったけど、
「シャム」が「ブランデー入り」のほうで、
「ペルシャ」が「ブランデー無し」。
昔、ドラマとかマンガとかで、「成金のオヤジがよくシャムネコを抱きながら、
片手にブランデーを持って、バスローブをまとい、高層マンションから夜景を眺めてる」っていう図をイメージした俺は、「シャム」を「ブランデーのほう」とした。
もう一方を「ドラ」とか「ミケ」とかにしたら格の違い(?)がありそうで不公平な気がしたんで、俺の中で対等っぽいイメージの「ペルシャ」にした。
メンバーみんながマジになって、「俺はシャムで」とか「俺、ペルシャ」とか言ってることに笑いをこらえながら、結果は・・・
一票差ではあったが、勝者は「ペルシャ」だった。
実は俺の中でも99%が「ペルシャ」でいこうと決めてはいたんだが、
一応、客観的意見も聴いてみたいなということで。一安心。
ギターの音をアンプから出す前に、だいたいは「エフェクター」っつうものをかける。
簡単に言うと「残響系」「うねり系」「ひずみ系」などのエッセンスを加えるっつうわけだ。
それが効果的ならばもちろん迷わず使えばいいだろうし、
でも確実にいえることは、このエフェクター、かければかけるほど本来のギターの音そのものは細くなる。
中途半端にセンスなくかけるくらいなら、アンプ直結が最も野太い音ってことになる。
B・Bキングのギターの音は千のエフェクターに勝る。
チョコの真髄は「カカオ」だ。ブランデーはやはり所詮エフェクターだ。
珈琲文明のチョコレートケーキは、アンプ直結のBBキングだ。
あ、ちょっと図にのりすぎ!?これからも精進します。
どうでもいいことを二つほど。
うちのケーキにつくフォークは二股(一般的なのは「三股」だけど)である。
でも、チョコレートケーキにだけは、三股のフォークにしている。
これは、ネットリ、どっしりして濃密な仕上がりのため、
フォークを刺すのに二股ではパワーを必要とするためである。
もひとつ、今月の仕入れケーキである「林檎のタルト」はなんでデカイのか?
仕入れ元のケーキ屋さんが推奨する分け方は「10等分」なのだが、
10等分にするっていう行為がめんどくさいんで(笑)、
ホールケーキはあくまでも8等分にするというズボラマスターの考えによるもの。
以上、今月の裏・文明通信でした。