前々回、途中で禁書(?)して、「結局その完全禁煙に成功したこと、書いてよ、書けボケ、わけわからん」等々オファーもあり、もちろん書かせていただきますともはい。
前回も述べたが、今から6年前の夏、凹みに凹みすぎて地底に埋まってた頃、
「原点回帰」だとか言って、兵庫県西宮市に行った。
ここで中2の時に相棒と一緒にアリスのコピーやら稚拙なオリジナルやらをやり始めた。
その相棒に会いに行った。
禁煙の話で少し盛り上がった。
そいつも今禁煙したがってて、本気『マジ』禁煙を5回くらい繰り返してて、
そうそう、とかいいながら、やめたいよなぁ、とか言いながらも、
やめないんだろうなぁ、ってお互いに思ってたと思う。
次の日、そいつとカラオケに行った。
目的はただひとつ、そこにあるアリスの曲を片っ端から歌い倒す、
アリスしか歌わない企画。
戦友と再会して酔って軍歌歌ってるみたいな感じ!?
ダルダルだけど、生き生き&キュンともしながら、でも大いに楽しんだ。
だんだんと懐かし系が尽きてきたんで、
しかたなく、アリス活動停止後の、あまり思い出もない、
最近(っていっても10年以上前)の彼らの曲「BURAI無頼」を歌った。
あんまり思い入れもないし、歌詞も見ながらじゃないとわかんないんで、
二人で字幕見ながら歌ってた。ダルダル状態で。寝そべったりしてたかも。
歌うにつれ、二人してだんだん姿勢もピンとしてきた。
熱い血潮が胸に逆巻きはじめた。以下その歌詞。
最後の煙草には
俺に火をつけさせてくれ
思い出の街を出る君への花むけに
親友と呼ばれて過ごした学生時代
二人で駆け抜けた反抗の遠い夏
振り向かず歩き始めた君の背中に
コートの内側で
そっと十字をきった時
街は静かに 街は静かに
泣いていた
※無頼なれ君よ 心震わす日の為に
無頼なれ君よ 君が君でいる為に※
それぞれの胸に流れていく淋しさと
過ごしてきた日々への
誇りをしまい込んで
君が別れにくれた
古ぼけたこのライターで
青春の地図を燃やして
星屑の街に投げた
振り向かず歩き始めた君の背中に
コートの内側で
そっと十字をきった時
街は静かに 街は静かに OH
泣いていた
※無頼なれ君よ 心震わす日の為に
無頼なれ君よ 君が君でいる為に
おそらくほぼ同時に、お互い同じ気持ちになったんだと思う。
「この歌ヤバくねぇ?」とは言ってないかもしれないが(笑)、
「なぁ、これもう一回歌わへん?ほんで、火つけあって、
それを生涯最後のタバコにせえへん?」ってことになった。
その時の俺の精神状態、様々なシチュエーション、
これ以上ドラマチックなことなんか永久にない、と思えた。
この後、もし一本でも吸ったら、
このあまりにカッコよ過ぎる思い出が汚れてしまう。
この時より「禁煙」っていうより、俺は喫煙者ではなくなった。
ちなみに去年5月、俺はまた西宮に行き、そいつと会ったが、
そいつもあれ以来、ただの一本も吸ってなかったことがやはり嬉しい。