拙著「世界一わかりやすい珈琲の本」が突然売り切れました・・・。
お客さんに「これはまだ在庫ありますか?」と訊かれ「凄いたくさんあります!」と勇んで言って「空の上(珈琲文明の天井裏のことです)」に取りに行ったところただの一冊もなくなっていて自身の「在庫管理能力」の低さに愕然としました。今後更なる重版(まさかの3刷り!)を予定してはいますが確定ではありませんのでそれまでは店内に3冊だけある「店内閲覧用」と書かれているものをぜひご覧になっていただけたらと思います。
さて、その「世界一~」の中でやむなく割愛したテーマとして「原産国による風味特性の違い」というのがありました。今回はここでそれを述べてみたいと思います。
私が「コーヒー講座」をやったり誰かにコーヒーのことを説明したりする時に常に頭にあるのは「コーヒーなんてもんは難しいことじゃなく、淹れる際に必要なのは豆とお湯だけ。こんなシンプル極まりないものに技術も蘊蓄も能書きも必要ない」ということです。
わざわざ話を難しくしたり屁理屈をこねくり回すようなことをしたくないといつも思っています。
さて、そこで「原産国による味の違い」であります。まず皆さんがよくコーヒー豆屋さんやスーパーなどで市販のレギュラーコーヒーを購入する際に各国銘柄ごとの説明を読んでわかったようなわかんないような気になっていると思います。
「チョコレートのような」「フルーティな」「コクと酸味」などです。また「キリマンジャロやモカは酸味が強い」や「マンデリンは苦い」などの刷り込みも未だ根強かったりします。
各国ごとの風味特性を細かく説明していくよりも今回ここでは究極の3通りの風味として極論してみたいと思います。
そもそもコーヒー豆というのは焙煎度合で浅ければフルーティで深ければチョコレートっぽくなるのです(基本的には全ての国銘柄が、です)。
ですからまずしっかりとニュートラルな見地からのジャッジが必要になるのです。
というわけでここでは「全ての銘柄が同じ焙煎度合、しかも中煎り(ミディアム)以下」という前提のもとお話します(※スペシャルティコーヒー界のカッピング時の焙煎度合はビックリするくらいに浅煎りで行なわれます)。
国は①「ブラジル」②「アフリカ」③「その他」の3つだけ覚えてください。
①ブラジル・・・ナッツ系
②アフリカ・・・花、もしくはフルーツの場合ベリー系
③その他・・・フルーツ(柑橘系)
もうこれ以上ザックリ分けられない究極の3通りがこれです。異論上等です。
「ブラジル」だけ1つの国で「アフリカ」は大陸だしその他にいたっては中米や南米(ブラジル以外のコロンビア、ペルーなど)そしてインドネシア等のアジア圏も含みます。
「ん?インドネシアがフルーティ?」と思うかもしれませんが中煎りのマンデリンはパッションオレンジのような風味特性があります。
細かい話やもっと知りたい人は各自調べるなり私のコーヒー講座(来年はもう少し頻繁にやっていこうと思っています)に参加するなりして、なにはともあれこの究極の3パターンだけまずは頭に入れておき、例えば「ケニア」ならアフリカですからまずは華やかな芳香と捉え、もう少し深く掘り下げるなら「ラズベリーっぽいかな?」であるとか、「ホンジュラス(中米)」なら「その他」ですから「フルーティ(柑橘系)」でもう少し追求したいなら「トロピカルフルーツっぽい」など感じてみると良いかもしれません。
赤澤珈琲研究所 所長 赤澤 智
#珈琲文明 #カフェラボ #赤澤智 #人生に行き詰まった僕は喫茶店で答えを見つけた