オンライン配信、会議、呑み会etcとにかくオンラインなんちゃらが全国大席巻中です。
当店の第四金曜弾き語りも先々月そして先月と「無観客ライブ配信」をしました。
それはそれでクセになりそうで(笑)面白かったのですが、本当の意味ではやはりこれはライブとはいえないものです。オンラインとオフライン、良い悪いではなく、
とにかく「LIVE」という原点を考えるとオンラインは(特に音楽に関しては)再現不可能と言わざるをえません。オンラインのみならず、例えばヘッドホンで音楽を聴く場合、それは本物の出音とは全く別物になっています。これはコンプレッサーをかけるなどしてダイナミクスレンジを思いっきり狭めた状態で音源化されているからです。もう少し簡単に言いますと、物凄い声量のある歌手が全力で人の耳元で歌ったら鼓膜の損傷にもつながるほどになりますがその歌手の音源化された曲をヘッドホンで聴いてもまぁ大丈夫だったりするのは「本当の範囲を狭めて録音している」からにすぎないのです。よっぽど高性能な録音及び再生機器でなければ音が割れてしまいます。もっと言うとこれはライブ会場にいてもなお実体感は難しいと思います。つまりPAスピーカーを経由して聞こえてくるライブの時点で全てこの理屈(増幅されるから絶対音量は大きいかもしれないが本当の音の範囲を狭めて通ってくる音)なのでやはり本物の出音そのものではありません。
何が言いたいかといいますと、PAも何も通っていない「完全な肉声かつ生演奏そのもの」を体感できるのは、その場で聴ける人たちだけで、ヘッドホンやオンラインでは絶対に体感は出来ない・・・ということです。
大ホールではないライブハウス級のハコでもそれなりにPAは通ってしまってはいますが、本当に声量のあるアーティストなら出音の生声まで聞こえて来たりするのでやはり小さめのハコで体感したいものです。山下達郎さんのライブでは毎回完全肉声で歌うコーナーがあるらしいのでそういうのを一度は見てみたいと私は思っております。
ともあれ、随分と肩身の狭い思いをしている全国のライブハウスで良質なアーティストが全力でライブが出来て、その出音、肉声、生音まで体感できる日が早く来ますように!