




昨日の趣旨とは違うかもしれないけれど「開業のためのスイーツ」ということに関しては重要な発見があったので書き留めておきます。
松本美佐先生作のガトーショコラ。私は終始松本先生の一挙手一動に集中して真面目で優秀な生徒でした(いや、スタッフだろ仕事しろ)。
作成プロセスの中では温度管理の大切さや混ぜ方に目からウロコなことがあったんだけど、何はさておきそうこうして出来たブツの味がどうなのかがやっぱり重要なわけで、
個人的には少なくともガトーショコラとチーズケーキに関してだけは他にもいろんなところのケーキを食べてきている者としての意見として、
まずは当たり前かもしれないが「すごく美味しかった」。
んで、この曖昧模糊とした「美味しい」というフレーズだが、
もう少しちゃんと踏み込みます。
よく、個人店(しかも女性店主しかもセレブで上品しかも善人なイメージ、以上ただの偏見でおおくりしております)で出すケーキは「甘さ控えめ」で「原料はオーガニックのなんちゃらを使い体にも優しいもの」に仕上がっていることが多く、結果、確かに甘さが弱いのだが同時に味がぼんやりしている印象を受けるものが多い。
いっぽうでこのミサリングファクトリーのケーキは、ちゃんと甘い(もちろん甘過ぎではない)し、何よりぼんやりなんてしてない、味の「芯」がガツンとある。
コーヒー界用語でいうところの「ボディがしっかりしてる」という表現がしっくりくる。
今、松本美佐さんのケーキと言わずミサリングファクトリーのケーキと述べた理由は、
実はこれまでにミサ先生のお弟子さんにあたる人が作った(中には当時の高校生もいる)ケーキを食べたことがあって、その際にも「ボディがしっかりしている」という印象を受けていたからである。
さらに今年大和にケーキ屋「アトリエ結心」を開業した女性店主のゆっこさんはミサリングファクトリー出身で、そのゆっこさんが以前「【やさしい味】というのは褒め言葉じゃないんです」と話しているのを聞いたことがあってすごく納得というかミサリングファクトリー、いやもっとさらにその前の代官山のなんとかっていうところからの系譜なんじゃなかろうかと思いをめぐらすとこれまたいとお菓子。いや、いとをかし。
話をちょっと「開業する際のスイーツ」に戻すと、
「甘さ控えめヘルシー系」志向の店主はそのコンセプトがもちろん悪いわけはなくてそれはそれで需要もあるし良しとして、でも実際の味があまりボンヤリした仕上がりだとドリンク(とりわけコーヒー)ともあわないし、ホームメイドな感じのものをわざわざ家ではなくカフェで食べるという欲求は薄いかもしれない人や脱日常感覚をスイーツでも味わいたい人は多いはずなので、開業しようとしているカフェが趣味や税金対策ではなくそれを生業として日々利益を出していかねばならないお店を目指している場合は、いま一度スイーツの味に関して再考の余地があるかもしれません。
ちなみに今女性店主に多いと述べましたが、男性店主、特に趣味が高じて脱サラ開業系の人はやはり「コストに関するシビアさ」が必要であると思います(自分への戒め含む)。
そんなわけでもし開業志望者でボディがしっかりしたプロフェッショナルスイーツを作ってみたい方はぜひミサリングファクトリーの門を叩こう!
以上非公式レポートでした。