ほぼ毎日顔を合わせていた人が亡くなるのはやはり辛いものでして、当店から徒歩10秒のところにあった楽器屋「ミュージックジャンプ」の岩崎さんが突然亡くなられて2週間ほど経ちますが、未だに実感がわきません。
ミュージックジャンプがまだ平川町にあった頃にギターの修理をしてもらったことがあり、その後六角橋商店街しかも当店の超近隣に移転してきた時は狂喜乱舞したものです。
「商店街」という場所は何でも揃っているから有り難い、と言い切る前に個人的に不可欠なのがCD屋と楽器屋の存在であり、これらが無いとやはりどこか私には不便で、
そんな中、ミュージックジャンプの六角橋への移転は私だけではなく、多くの六角橋ミュージシャン達の大歓迎を受けました。過去のある月の第四金曜弾き語りの時の話です。
私はギターのシールド(アンプにつないで音を増幅させるためのコード)をいつも店内に置きっぱなしのはずがその日に限って家に持って帰っていて忘れてきたことがありました。家に取りに帰る時間はもうありません。そんな時に店をいったん閉めるでもなく、営業中(笑)そのままシールドを買いに行けた時は本当にミュージックジャンプ万歳だと思いました。店の魅力はなんといっても店主岩崎さんのキャラで、六角橋ミュージシャンをはじめ、神大音楽サークルの人々その他多くの若者たちから本当に慕われていました。例えば「ムッシュかまやつひろしさん」や「加山雄三」さんなどもそうなのですが、多くの若いミュージシャン達から慕われている存在のように、これは簡単に真似できるものではない本人のキャラによるところが大きいもので、
今私がここで言わんとしていることはきっと岩崎さんシンパの人々は大きく頷いてくれると信じています。以前とあるメディアのインタビューで岩崎さんが「好きなアーティストはヴァンヘイレン」って答えていた時は「え?いや、岩崎さん、それちょっと無理してないですか?(笑)」と正直思った直後すぐに「あ!【JUMP(※ハードロックバンドが出したポップな曲で大ヒットを記録)】か!」と気づいて爆笑し、そのことを岩崎さんに話すと「あれはオレのテーマソングだから」と返ってきてもう岩崎さん最高だと思いました。
よく六角橋商店街で古くからお店を営まれている店主の魅力を表すフレーズとして「義理人情に厚い」というのがありますが、これを具体的実例的に言うならば、それはまさに「例えば岩崎さんのような人のこと」と言っていいと思います。
私のもとにはジャンプで直してもらったギター(エレキ、アコギとも)、買ったシールド、弦、ピック、カポ等、たくさんの現役進行形のグッズで溢れています。
私も含め多くの連中がまだ悲しみにくれる日々ではありますが、空の上では「いつまでもメソメソすんなよ」と高らかに笑ってるような気もします。
空の上で再び一緒になれた奥様と共に・・・。
六角橋ミュージシャンの一人 あかざわ さとる