「コーヒーの風味特性について」
ネットの普及によりコーヒーのことについてもすぐに手軽に情報が手に入り、
わざわざお金を出して教室に通ったり講座を受けたりする必要もなくなってきているような昨今、先月私はとある地区センターにてコーヒー講座をして参りました。
聴講された人の中に私よりもずっと年配の女性で今度介護施設にてご老人の前でコーヒーの淹れ方を実践指導する必要に迫られ、それへの対策準備のためにこの講座に来たという方がいました。私も極度にネットやパソコン機器に関することは疎いほうですが、更に私よりも上の代の方々となるとやはりそういうものに対して疎い人は多く存在します。
このようなケースに出くわして私は、実際に講義という形をとり、現場での実践指導(O.J.T)をするというのはとても有益なものだと思いました。
このコーヒー講座の模様を今月より動画でも配信することにした(2/8木曜より)ので、必要としてる方はぜひご利用ください(詳細は裏面参照)。
さて、今回はこの日の講座で触れた話でもありますが、コーヒーを味わう際の「各風味特性」について述べてみようと思います。当店のメニューの中でもよく「花のような」や「果実のような」といった表現が出てきますが、今回こうしたフレーバーの違いを簡単に説明したいと思います。細かい分類をしてしまうとキリがないので、大きくバッサリザックリと4つのフレーバーに分けてみます。その4つとは・・・
① チョコレート②木の実(ナッツ)③フルーツ④花 の4種類です。
おおよそこれら4つのいずれかに当てはまる場合が多いのです。
そしてどの銘柄のコーヒーがだいたいどのフレーバーに属すのかというのもおおまかに捉えておいていただきたいのでそれを今から述べます。
① チョコレート・・・国別銘柄を超えて、良質な豆であれば深煎りにした場合、だいたいこのチョコレートフレーバーを感じることが出来ます。
② 木の実(ナッツ)・・・ブラジルなど標高がさほど高くない地域の豆に多い。
③ フルーツ・・・柑橘系の香りでは中米(グアテマラ、コスタリカ、エルサルバドル等)に多く、またベリー系(ブルーベリー、ラズベリー等)はケニアなどで感じられます。
④ 花・・・主にジャスミンやバラの香りなど、エチオピアやブルンディ等アフリカ勢に多く感じられます。
他にも精製方法の違いによっても同じ豆なのにその風味特性は大きく変わっていきます。
水洗式(ウォッシュト)の場合はジューシーな酸味を感じることが出来、
天日干し(ナチュラル)の場合はバナナやメロンのような甘い果物を連想するフレーバーになったりもします。
どの国の銘柄が好きかというところから出発するのではなく、
上記の4種に大別したうちのどのフレーバーがご自身の好みなのかということから銘柄を探っていくことでお気に入りのコーヒーに出会えるかもしれません。
赤澤珈琲研究所 代表 赤澤 智