

かつてベーヤン(堀内孝雄)とのデュエット「南回帰線」がヒットした滝ともはるさんのお店「パラダイスカフェ」にホール山口さんと行ってきた。
さかのぼること35年前に神戸の楽器屋で滝さんの生ライブを当時中坊でギターを始めたばかりのオレは見たことがあった。マイクもピックアップもない完全生声生音の弾き語りだった。歌が上手いのはテレビでもわかってたけどギターが本当に上手だった。
ギタービギナーのオレにとってはいわゆる「Fの壁」と戦ってた頃、
おそらくは生まれて初めて目の前で見た「プロの弾き語り」だった。
ハイコードをいとも簡単に押さえ、声量もそしてギター音も「カ~ン!」とデカく抜けが抜群だった。
ハイコード(Fの型)を半音ずつスライドさせ♫ジャジャジャ~ンって鳴らすシャッフル調の曲があって、中坊のオレはどうにもそれがやりたくてFへの格闘にますます精を出し、
その♫ジャジャジャ~ンってのがやりたいがために1曲作ったこともある(ちなみに「天馬星」って曲・笑)。
あの日のジャジャジャ~ンが35年たった今も鮮明に覚えていて、
昨夜お会いした滝さんに今ここで述べた一切(ジャジャジャ~ン含む)を全てお話した。
滝さん曰く「たぶんブルースかなんかだったんじゃないかな」とおっしゃってたけど、
日本語のオリジナルだったのを覚えている。でもとにかくジャジャジャ~ンとその場で弾いてくださった。感涙。
そしてミーハー心この上ないけどやっぱり「南回帰線」を聴いてみたい心理を抑え、
おそらくこれまでに何万回とリクエスト受けてきたであろうことも容易に想像出来るし、
「南回帰線」は禁句なのかなとか思ってたらガッツリ歌ってくれた。感涙。
滝さんが昨日弾いてたマーチンのギターは41年間同じとのこと。
つまりオレが神戸の楽器屋で目にし耳にしたジャジャジャ~ンを発してた主と35年ぶりに再会を果たしたことにもなるのだ。
そのマーチンは二度の大手術を経て今でもこうして現役で毎晩滝さんと共に奏でている。
そのマーチンを前にすると背筋がピ~ン!とした。
「マーチンさん、ご無沙汰しております。あの日の中坊です。お陰様で私もジャジャジャ~ンってしながら35年たった今も音楽を続けています。メッチャいろんなこと(それはきっとお互いに)、あの神戸の楽器屋の日からはたぶん地球4周分くらいいろんなことありましたけど、
なんだかんだで音楽があって人生が楽しいです。マーチンさんもお元気でいてください。」
