昨年は10周年イヤーということもあり、これまで上り続けてきた階段の10段目にある「踊り場」でいったん立ち止まり、派手な幸福のシャワーを浴び続けたような年でした。
それはそれはいつまでも浴び続けていたいほど甘美で温かいものでして、惚けて浴びていると流石に我が身が溶けて無くなってしまいそうなので、新たな年と共にシャンとします(笑)。開業当初から10年というのはひとつの目標であったのは確かですが、
実は他にいくつかの未達目標があるのです。キーワードはズバリ「14年」です。
二つの異なる事例からの不思議に共通したこの「14」という年数について説明します。
まず、私が大学を卒業してから従事した職業は「塾の講師」及び「塾の教室運営」という教育業界でした。「講師として10年」で「教室長として4年」の計14年です。
つまり私にとっての人生最長職業期間は「飲食業界」ではなく、未だに「教育業界」なのです。
もう一つ、これは少し生々しい話になります。
私はこのお店の開業資金を執念で(笑)貯めて、それでもやはり足りず、
さらにその自己資金と同額を公庫から借入れました。
公庫への借金は計画通りに7年で完済しました。
しかし、最近ふと思ったことがあります。それは、7年で返したのはあくまでも借金であり、「開業資金として貯めた自己資金」というのは理屈の上ではさらにもう7年たってはじめて回収出来るんだということです。
もしも開業せずにいたら貯めた額はそのまま残っていたわけで(実際はそんなわけはないのですが)、かつまた「完済後にさらにもう7年経ったらあの時貯めた額に戻る(はい、これも実態は全然そうじゃなく、恐ろしいほどに貯金出来てないですが・・・笑)」という、開業前のフラットな状態に戻るためには単純計算で借金完済後のさらなる7年、
つまりは創業14年だと思うのです。14年経ってようやくフラットな状態、そこでまた階段のフラットな「踊り場」を少し設けてあげてもいいのかなと自分の中では考えています。
人生最長職歴が「飲食店主」となり、そこで「本当の意味での利益を生み出す」ことになる珈琲文明14周年に向けて、また新たな階段を上って行きます。
今年もどうぞよろしくお願いします。
珈琲文明店主 赤澤 智