プロのシンガーソングライターに直接「歌っていいっすか?」って訊き、
かつその歌った音源を本人に聴いてもらったことがあるのが樋口了一さんと新井満さん。
この「千の風になって」は満さんご本人が「スローバラード調のものを聴いてみたい」とおっしゃったため自分なりのアレンジをしてみたもの→
https://www.youtube.com/watch?v=HvpX0SDTxaY&feature=youtu.be
ここまで崩したり暑苦しいまでに歌いまわしたりするのも本家に失礼なんじゃないかってくらいのものになったのだが、満さんはすごく褒めてくれた。マジで嬉しかった。
満さんとの出会いは自分の人生にとってもかなり重要な意味を持ち、
珈琲文明がまだあまり世に知られていない頃に満さんは散歩の途中でフラっと来店してくれた。
平日の営業がまだ暇が多かった頃も幸いし、いろんな話をたくさん伺った。
その会話の詳細をここで述べるなんてもったいないことはしない(笑)。
でも、やっぱかなり深く刺さったのが、
「私はお金のために音楽をやったことがない」という言葉。
この手のフレーズってプロミュージシャンが言うと矛盾をはらんでいたりして、
あまり響かない。いや、お金のために音楽をやって全然いいと思ってる。
ただ、満さんのように一流企業に定年まで勤め上げ、文筆業のほうでは芥川賞もとったりしてる人にとっては確かにものすごいリアリティがある。
この言葉に超絶リアリティがあるのは新井満さんか小椋佳さんくらいかも!?
「千の風になって」は言わずと知れたミリオンヒット曲。
しかし、歌った秋川さんならまだしも、それを作った人の顔はあまり知られていない。
だから満さんは飄々と、そして堂々と、普段着で散歩の途中に店にいらっしゃる。
電車だって乗る。
まったくガツガツしてない。
「知足」ということを本当によくわかってる人。
音楽をやっていく意味とか、音楽があると人生は楽しくなることとか、
新井満さんとの出会いでより深く意識するようになったと思う。