終演後に購入した彼女のアルバムを聴いて、そのロックっぷりにビビったけど、同時にとても腑に落ちたことがある。
アコースティック系のVOであったとしても、スローな曲にしても、
リズムが弱いVOにはやはり魅力がなく、
少しツッコんだり、タメたりするにもまずはオンリズムの中で散々歌いこんだ人とそうでない人では全然違う。
しかしiidasatomiさんの場合、バンドサウンド(ドラムやベースをバックに自身の声もほぼモニター出来ない戦争みたいな状態)の中でのライブを無数にこなしてきて、
なまじアコースティック系になるとむしろ自分の声が聞こえ過ぎでセルフリミッターがかかってフラットしそうな心配に見舞われたり(バンドヴォーカリストあるある?オレだけ?)、
そんな環境で揉まれまくった人によるアコースティックVO。
あ、同じことが演奏陣の方々にもいえて、
ゼルダの亜子さんにせよ、新月の津田さんにせよ、ベースの桜井さんにせよ、
実に30~40年以上バンドサウンドを主戦場とする人たちによるアコースティックライブ。
気持ちいいに決まってる。
店主であることをいったん抜きにして、ていうか店主がこんなこと言ったら実際はかなり感じ悪いことを承知のうえで言うけど、
こういう人たちのライブをチャージ無料で見ることが出来る「つわもの達の夜」とはなんて魅力的なんだ、というお客さん目線もそうなんだけど、
それと同時に、今回、出演者目線からの羨ましさという感情も抱いた。
実力者揃いでこんなこというのははばかられるけど、
とっても上質なお客さんの中で演奏出来ることが羨ましいなぁ~ってことを思った。
オレも「つわもの達の夜」に出たいなぁ~みたいなことね(笑)。
まぁ第四金曜で毎月それは享受できてるからいいんだけど、
「上質なお客さん」っていうのは、何も「耳が肥えてる」ってことじゃなくて、
「音を楽しむ純度が高い人」で「歓迎モードに溢れてる人」ってこと。
たぶんこの感じはiidasatomiさんも演奏陣の方々もみんな感じ取っていたと思う。
本人たちは全く想定もしていなかったアンコールも自然に起こったし。
そしてこれまた思うのは、うちは平常営業が「音楽演奏メインのお店じゃなくて本当に良かった」っていうこと。
こういうイベントをやるよりも平常営業したほうが売上が高いということは本当に恵まれているなぁということ。
そういう環境の中で行うこうした半分道楽のようなイベントが楽しくてしょうがないということ。
音楽があると人生は楽しいということ。