先日、一人の青年が「僕は静岡の人間なんですけど、これお土産なので、よかったらどうぞ」とこれをわざわざ渡すために来店してくれたことがあった。
病的なまでにお客さんの顔を覚えられないオレは、
何度か来てくれてるらしい彼を知ってるような知らないような状態で、
少なくとも喋ったことはなかった。
なんだか少し呆気にとられながらお礼を言ってその日は終わった。
その後でいろいろと時間差でじわじわ来た。
静岡から今独り暮らしで神大に通い、仮にこの「こっこ」を彼は何人かの知り合いにもまとめて買ってきたとしても、その中の一つが珈琲文明用として選抜されたこと、そしてわざわざ届けに来てくれたこと、男子っていうことも、いやもちろん女性からの贈り物も嬉しいに決まってるけど、なんというかこの場合、同性であることもとても「ジワ~」なポイントな気がした。
そして、この「こっこ」というお菓子を食べてみて、これがまたマジで美味しくて、
いろいろと時間差でこみ上げるこの「ジワ~」をどうすりゃいいんだろう、
どう考えても表面的な感謝っぽい態度だったよなぁオレ、彼また来てくんないかなぁ・・・
と実はその日以来頭のどこかにひっかかっていた。
そして本日、彼が来店。
改めてこの「時間差ジワ~」の話を結構そのまま説明しつつ、めでたく再感謝達成。
今は神大の三年生で、公務員試験を控えてて、静岡の中でも裾野市という、
まさに富士のお膝元で、山梨側のお膝元(富士吉田)に住んでた身としては富士山話や、
また彼はギターを弾く話などひとしきり盛り上がった。
彼が今年で大学卒業だったりして二度とお店には来ない身だったりしなくてよかった。
あの表面的な感謝で終わらせてしまっていたらなんだかノドに魚の骨がしばらく刺さってるような状態のままだったはず。
今日はとってもスッキリ爽快な週の始まりだった。