中一の時から作詞も作曲もしてきてる身ながら、他人が書いた楽曲の歌詞というものが耳に入ってこない体質で、これはもう病的ともいえると思う。
例えば今朝の新聞でクリスタルキングの「大都会」を懐かしむ記事があり、
その中で「田舎から単身で出てきた当時を思い出す」とか、そういう一般の方から寄せられたアンケートを見て、そういえばあの歌がどんな歌なのか全くわかってなかったことに気づいた。いや実は今もわかってない。
なんたってやっぱあれはあの圧倒的ハイトーンボイス&ローボイスコントラストに加え、
ちゃんと曲もいいというここまで揃ってて無敵のインパクトがあるから何度聴いたところで歌詞は入ってこなかった。
アリスの「冬の稲妻」とかも何万回聴いたか知らないけど全く歌詞が脳内に入ってこなかった(今も)。
まぁこれらはマイフェイバリットソングにもかかわらず、なので、
そりゃなんの思い入れもないこの世の多くのJ-POPと呼ばれる楽曲の大半はほぼ入ってこない。
入ってこないから悪いっていうわけでもなく、
本当にオレの耳は「歌詞をあまり聞いていない、聞こえてこない、もっと言うと聞く気がない(笑)」だけの話なんだと思う。
そんな中で耳はおろか脳内に真っ直ぐに飛び込んでくる歌詞を書いてくれるアーティストが甲本ヒロト氏である。
この人に関してはもう現代の詩人歌人として音楽や日本史の教科書に載っていいと思う
(ちなみにこの女性版は中島みゆき)。
次にイエモンの吉井和哉氏のことを話す。
歌詞と対照的にオレは曲(主旋律、コード進行、構成、アレンジもろもろ)はそれこそ物凄く入ってくる。コード進行に関してはオタクの自覚がある。
オレの好みのメロディーを紡ぎ出す人はいろいろいるんだが、
その中で、「筒美京平さんをはじめとした、昭和のモンスター作曲家たちの楽曲をしっかりと自分の中で消化したタイプの人」という人は本当に好きだ。
そういう人の一人がオレの中ではイエモンの吉井氏。
「太陽が燃えている」なんてもう西城秀樹が歌ってるところが想像出来てしまうくらいの「(良い意味での)歌謡曲」だ。
そこに紛れもないロックサウンドを被せてきてる。
変にストリングスやホーンを入れたりせず、
ロックの基本3ピース楽器がガッツリ鳴ってる。
ドラムやベースのあの「鳴り」はトラックダウンやマスタリングだけでは不可能で、
本人、本体、のアタックをはじめとしたそもそもの「出音」がやっぱり重要。
イエモンは各メンバーそのへんがとにかく各自ガッツリ「鳴ってる」。
だから吉井和哉という屈指のメロディーメーカーに加えやっぱイエモンの他のメンバーたちの功績もものすごいものだと思う。
動画のこの「JAM」という曲がチャートで一位になったっていう話を聞いた時、
日本の音楽シーンも捨てたもんじゃないなって思った。
https://www.youtube.com/watch?v=8nR0x-yon_o