今月の文明通信は手書き(&文字通りの切り貼りの超アナログ)になっちゃってますが、ネット上では活字でいきます。
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「【人生で今が一番幸せ】の更新」
史上二度目の手書きによる文明通信です。約五年前にも一度ありました。
今回も理由は同じになります。毎月この紙面のレイアウト担当の妻がこの度出産に伴い、育休をいただいております。
報告遅くなりましたが、先月の6日に無事娘が生まれました。
男系の家で育ち、男子校出身の私に娘が出来ました。早速緊張しています(笑)。
「人生で今が一番幸せです」
と、このフレーズ、結構軽く使われることが多いような気もしますが、
先日、妻とも意見が一致してお互いに「人生で今が一番幸せ」という結論が出ました。
では、「人生で最悪だった時期」はいつか?それは、私の場合、今からちょうど15年前の今頃でした。細かい話は端折りますが、それまで音楽のことしか考えてこなかった人間がようやくメジャーデビューが決まり、レコーディングも進行していく中で、一大決心をしてそれら一切をやめることにしました(本当に大雑把に言いました)。
当時、連日明け方に音楽事務所を出て、自宅に戻るとそこにはよく甥っ子(当時1歳)が泊まりに来ていました。
業界独特の深い闇の世界から帰宅すると、一転して爽やかな朝に見る完全無欠に無垢な甥っ子の笑顔がありました。凄まじいギャップでした(笑)。
「幸せとはどういうことなのか?」を自問し、その時出てきた答は、「家族を形成すること」でした。当時まだ独身かつ大学を出て10年以上フリーターの身で音楽活動をしていた自分にとってこの答はかつての自分には予想もしなかったものでした。
まずは正社員として就職しました。そしてそこでの仕事を必死でこなしつつ、並行して「いつかは自分でお店を持ちたい」という青写真を描きはじめました。
当時の職種とこの「お店を持つこと」があまりにも関係性が薄かったため、起業資金を貯めること以外には、また別の時間とエネルギーを必要としましたが、どちらも必死でした。
やがて2007年にこのお店を開業し、その後本当に運良く順調に運営を続けることが出来て、
思えば開業以来ずっと「人生で今が一番幸せ」の状態が毎年更新されていってるような気がします。ほぼ半世紀の人生を生きてきて、今こんな風に思えるのは我ながらびっくりです。
多くの人の人生において、無くても何も問題はないであろうコーヒー屋にして、
しかもまだまだ半人前の店ではありますが、強引なるセールスコピーを思いつきました。
「人生で今が一番幸せな店主が淹れるコーヒー」(笑)
ぜひお越しくださいませ。
幸福店主 赤澤 智