今年になって始めたほうのブログ
http://ameblo.jp/ojamarucoffee/entry-11991961632.html で
「メニューの確定はある程度お店が軌道にのってから。またはお客さんの反応を見て決めるのはオススメしない」と述べたんだけど、
かつてこんなことがあった。
当店からそれはそれは近い場所に出来たお店。
まだそこが工事段階の時のこと。
スーツを来た少なくともオレより全員がご年輩の方々4,5人揃って、
「え?ここはタバコ吸えないの?」と言いつつ、うちでコーヒーを飲んでくれていた。
しばらくしてから「もうすぐしたらそこでお店を出すんでよろしくお願いしますね~」と一人が言ってきた。
いわゆる完全に普通のお客さんであればもちろん何の問題もないのだが、
そして同じ商店街内とはいえ異なるブロックであったりするならいいんだが、
それはそれは近く、常識の範囲であれば内装工事開始前等に軽い挨拶のひとつはありそうなんだがそれもなく、いやそういうのも特に腹がたってたわけではないんだが、
初対峙した時の第一声が「タバコ吸えないの?」ではないのは確かだろと思ったオレは
軽くキレ気味で、
「これから出来ようとしているお店で今後ご近所付き合いとなるわけですから、
ここに入ってきた時まず最初にそういうことは明かしませんか?」
と年輩の4,5人相手に向けて言うと、その中の代表とおぼしき人が名刺をくれた。
名刺にはNPO団体なんちゃらとあった。
オレも名刺を渡しつつ、「ところで何のお店になるんですか?」と訊くと、
その代表、ニヤニヤしつつ「さぁ、何のお店にしましょうかね~」と来た。
せっかく収めた鞘、いや鞘は抜こうと思ってなかったのが改めまして鞘に手をかけた。
「もうそういうのいいですから、何屋さんが出来るんですか?」とオレのキレ顔はきっと伝わったらしく、
「今は○○を考えていますが、それでやってって場合によっては△△とか××でいくかもしれません」
という返答を聴いたオレはその時完全に舐められてるのかと思った(こっちもまだ開業して2年たってないくらいのペーペーだったわけで)。
ほどなくしてそのお店はオープンした。
確かにいろいろと迷走してるのは近くから見て取れた。
そして代表がまたお店に来てくれて今度は一人カウンターでコーヒーを飲みながら、
「いやぁマスター、飲食っていうのは本当に難しいもんですねぇ・・・」
と神妙な面持ちで言われたオレはそこでハッとした。
この人が言ってた「何のお店にしましょうかねぇ~」というセリフはふざけてるわけでもオレを舐めてるでもなく、本当にそう思ってたんだ・・・
一気に可哀想になってきた。この人にではなく、こういう団体(NPOがダメっていうことじゃないからね)のもとで今まさに働いているそこのお店の雇われ店長に対してだ。
そのお店が開店してからは回覧板を届けたり、またいろんな世間話などもして仲良くなってたところだったし。
結局そのお店が続くことはなく、ごく短期間で閉じられることになった。
その後、そこに出来たお店はその内装工事中、埃まみれになりながら大工作業もしてた人が店主本人であることを知ったオレは最初からその人に好印象を持ち、全勢力をあげて応援して今に至るそのお店は開業当初はなかなか伸び悩んでいたみたいだが、
今や立派な納税店であり、貴重な店主仲間の一人である。
やっぱ自らが矢面に立ち、夢と希望と胸いっぱいの不安と覚悟を背負いながら営業しているお店にオレは最大限のエールをおくりたい。