「喫茶すねあて」には思い出も何もまだ、、ってなもんだけど、
サッカーのすねあて、つまりレガースには大切な思い出がある。
中学時代、一個上の先輩たちは凄かった。県大会、阪神大会はおろか近畿大会でも優勝、
その時のキャプテン「二牧(ニマキ・仮名)」さんという、技術はもちろんだが、人間的にもリーダーシップ的にも完璧(さらに勉強も超出来る)な人がいた。
これほど主将が似合う人もいなくて、首相になってほしいくらいだった。
そんな二牧さんから、オレはある日個別に呼ばれた。
二牧さんの手には年季の入ったレガースがあった。
「これは先代(先代とは言ってないなきっと)から受け継がれてきたレガースやねん。
これを赤澤に渡すから赤澤も引退する時に後輩の誰かに渡してくれや。
誰に渡すかは赤澤が決めたらええから」
と言われたオレはジワ~ン、ポワ~ンとしてしまった。
キャプテンでも副キャプテンでもないオレがなぜそんな伝統の逸品を!?
と思う気持ちよりも何よりもただただひたすらに嬉しかった。光栄あまりあった。
そしてオレが3年になり今度はそのレガースを後輩に託す時が来た。
「中寄(ナカヨセ・仮名、なにこの仮名)」という、やはり主将でも副将でもなく、
単にオレの好みだけで決めた。
その後オレは東京に転校したし、その後あのレガースがどうなってんのか、
ずっと心のすご~く片隅ではあるが、気になっている。
まぁ今でもそれが受け継がれているとは考えにくいが、
他の誰とも、チームメイトとも共有出来ない、固有の、独特の、
かけがえのない思い出だ。
昨日、スポーツ全体の名シーンベスト3のひとつにゴンゴールを挙げた。
でも自分が関わった部活の名シーン1位は・・・
「先輩らの確か阪神大会決勝、
延長戦となるも全く試合が動かなかったその時、二牧さん(ポジションはスイーパーといって最後尾を守る位置)が50m以上の独走ドリブル(普段は基本守りに徹しているため二牧さんの攻撃参加をオレはそれまで見たことがなかった)してあげた決勝ゴール」
をあげるだろう。
どうしてっかなぁ二牧さん。
そして、どうなったんかなぁ、あの「すねあて」。