読み手も、また読まれる作品も、超正統派。現役の声優さん「山本灯織(やまもとひおり)」さんによる朗読会、終了しました。
一篇が約30分。作品は二篇あったのでそれで計一時間。
これまでの音楽や短歌のような、途中からでも十分楽しめるものとは異なり、
ストーリー展開もあるゆえ、聴くほうも神経を集中させる必要がある。
ゆえに、この度初めて「携帯電源オフのお願い」とかの諸注意を呼びかけたり、
開演中のオーダー及び開演後の入店を不可とさせてもらったりした。
そして今回は「あんまりギチギチの満員にならなきゃいいなぁ」と思っていて、
しかもおそらくそうなる(あんまりお客さんは多くない)ような気もしていたし、
そういうふうに軽く仕向けたつもりもある。
まず日程が月の前半というのは文明通信等の公式告知がほとんど意味をなさないこと。
さらに途中入店不可ということは間に合わなそうな人は諦める。
事前告知の中でもなんとなく「全力で集客はしない」風な気配を醸し出したつもりだが、
オレは告知の中で、「このお知らせの本質部分をバッチリキャッチした人はぜひぜひいらしてください」と述べた。
昨日いらしていただいたお客さんはそのへんの意図を汲んでバッチリキャッチし来てくれた人が多く、前日にこんなメールをくれた人もいた、
「行けるかどうか分からないのですが、何かツワモノを観に行った方が良いように、心がざわついています」
そしてその人は来てくれた。思惑がバキっと噛み合うととても嬉しい。
昨日は全員着席&各テーブル内での他人相席ゼロ。
オーダーも本番までに全員分提供完了。まさに7時の時報と共に開演!
たくさん出るだろうと思ったビールがただの一本も出なかったことだけが想定外。
ひとつだけ不安だったことが、朗読のBGMに関して。
長年音楽に携わりながらもオレは超絶にメカに弱いことで有名で、
店内スピーカーからではなく、PAスピーカーから、つまりミキサーからCDを流すという超基礎的なことも実はわからず、そして山本灯織さんも同じくメカにはあまり詳しくなかった。
山本さんの友人Iさん(音響の専門でもなんでもない普通の人)がスタッフとして参加してくれて、この人がまた見かけ(とても可愛い)によらず頼もしくて、おかげで唯一の不安は解消され、BGMの切り替えタイミング、フェイドイン&アウト、バッチリ上手くいった。
例によってこの日の具体的内容は書かない(んじゃなんでレポっていうかな・・)。
あの場にいて観て、聴いた人以上のものは伝えられないから。
ただ、例えばオレが一人で夜に聴いてウルウルしてた「セイムタイムネクストイヤー」という作品が店内響き渡って、お客さんが全力で集中してる空間が自分の店であることが幸せだった。