小三の冬だった。肺炎で一か月くらい入院してた時、猪木対ビルロビンソン戦が迫っていた。小さな白黒テレビを病床に買って置いてくれた親にはもちろん感謝で満足してたが、
同室だったお爺さんのテレビがカラーでしかもやけにデカかった。
オレは1週間以上前からそのお爺さんに、いかにプロレスは面白いかということをひたすらプレゼンし始めた。
大の相撲好きなお爺さんはプロレスにも理解を示し、
オレは今度あるビルロビンソン戦は世紀の戦いでこれは見ておかないともったいないという全身全霊のプレゼンが功を奏したっていうかお爺さんもやれやれって思ったんだと思う、結局カラーの大画面で二人で見た。
本当にスゴイ試合だった。残り1分での卍固めで引き分け。
もう40年近く前の話だが、あまりにも鮮明に覚えている。
その後、ほどなくして今度は馬場がロビンソンと戦った。
なんとジャンピングネックブリーカードロップで馬場が勝った(馬場の必殺ワザは16文でもなんでもない、このジャンピングネックブリーカードロップよ。オレの記憶だと大木金太郎戦もそうだったが、これが出ると必ず決着がつく、まさに必殺)。
馬場より猪木派だったオレはこの時、なんだか猪木より馬場のほうが強いのかと三段論法的結論で悲しくなったのを覚えている。
でも試合内容は断然あの猪木戦だったよ。ロビンソンさん。合掌。