学習塾時代、生徒が隣同士でおしゃべりするのは注意した。
しかし、関係ない生徒を間に挟んで距離を隔て喋ってる生徒には激怒した。
「間に入ってる関係ない、勉強してる生徒のことをなんだと思ってんだ」という理由を添えたうえで、明らかに温度差を変えて怒ることにしていた。
さて、当店は「おしゃべりを楽しむ場」でもあるので、もちろん普通のおしゃべりに注意はしない、するわけない。でも距離を隔てての会話や、カウンターで無関係な人を間に置いての会話になった場合はやはり注意することにしているし、そもそも店内をそういう空気にしないようにしているつもりである。
表版のほうで「お客さんとの話を第三者だった別のお客さんにその話を振ったりしない」ってことを述べたけど、後あとでそういう空気にならないようにするという意味もある。
これとは関係ないことだが、二三か月かもっと前だったか、子供連れの若いお母様にした注意を今でも後悔し、引きずっている。
二階席から三階(客席ではない)への「渡り廊下」(※写真)がある。
ここには「STAFF ONLY」と看板がある。
でもこう書かれてると入ってみたくなるのが心情で、
厨房からは死角(厨房の真上)になってて
店主にもバレそうにない(実際には真上の廊下のため歩く音で即効でわかる)こともあり、
これまでに何人かここに入ってオレは注意をしてきた。
子供にとってはそれこそ楽しそうなところで、
ある日、中二階席にいた子供(推定小1、2くらい)がここに入ってった。
オレは下の店内のオーダーに追われなかなか注意が出来ないでいた。
というか時間の問題でまたテーブルに戻ると思ってもいた。
しかし思いのほか長い時間その子はそこにいた。
おとなしくしているため他への迷惑はかけていない。
ただ下にはたくさん人がいて、「あそこに子供がいる」というのは目立ち、気になる人はいるかもしれない。
会話が成立する子供、つまり「赤ちゃん以外」ならオレは幼稚園児であろうがなんだろうが、親ではなく子供に直接注意するようにしてるが、このケースはお母様のほうに言った。
「お子さんは英語(STAFF ONLY)がまだわからないでしょうから、お母様が注意するようにしてください」と、まぁこの言葉、文字だけ見たら普通なんだが、この時のオレは随分と機嫌悪く、文字通り、嫌悪感込めてお母さんに言ってしまい、そしてそれはその若いお母さまにも確実にヒットしてしまい、完全にシュン、、とさせてしまったのだ。
日頃、育児に頑張り、たまにはカフェでホッと一息、と思ってたのに気持ちが冴えないまま帰ってしまった親子・・・なんだか自分の妻子にも重なったりして、気持ちがどんよりしまくりで、今でもオレはそれを引きずっている。
注意したことを後悔してるわけじゃなく、もっと軽やかにちょっと言うだけで十分わかってくれそうな善良な感じの親子だったのに、
言ってみればあの時のオレ自身の精神状態に後悔しているってことだ。
一度あの渡り廊下に入ってった「大の大人」が、さらにそこに置いてあるギターを弾き始めた時、オレは「アホかコイツは!?」と思ったが比較的丁寧にキレたことがあって、
なんで直接「アホかおまえは!」って言わなかったんだろうって今は後悔してるけど、
そんなのとは比較にならない後悔だ。