いやぁ見た見た見ましたともさ。NHK歌謡コンサート。
樋口さん(あ、ちゅうちゃんもね)@NHKホール。
「愛を歌うシリーズ」みたいなコンセプトだったと思うけど、
それが嬉しかった。あれほどのラブソングもないと思うし、
まぁ、「介護の歌」的な紹介のされ方っていうのはきっと今後もされ続けるんだろうし、
大きな波が起きている今、いろいろな紹介表現あるだろう。
いんですいんです、少なくとも俺は極上のラブソングだと思ってるし、
そうじゃないと思ってる人が出てきて物議をかもしだす、いいじゃないですか、
とことん行っちゃってください!ってとこです。
8分以上に及び、フックの効いたサビがあるでもなく、
およそポピュラリティという点からは離れているかのように思えるあの曲が、
しっかりとオリコンベスト10(デイリーチャートでは1位もとった)に入った事実。
ホント、捨てたもんじゃないよ。
あの曲を聴いて俺が感動する部分と、大多数の人のそれはきっと同じで、
普遍性バツグンだと思うし、うん、それをポピュラリティって言うんだよな。
ポピュラリティ万歳じゃん。レコード大賞とんねぇかな(笑)。
ただもう一点ね、俺も楽曲作りにたずさわる端くれとしてだね、
やっぱり強く強く思うのがね、
「こんな歌、聞いたことないがな!」
ってとこなんだよね。今までに誰も手をつけてこなかった角度からの歌。
これが音楽人としてとてつもなく尊いし誇らしいでしょやっぱ。
一方で、もう一つ、あの番組を見てあらためて再認識したことがある。
それはね、
やっぱり、俺は未だに演歌の良さがわからない・・・
ってことね。演歌歌手そろい踏みだったわけで、そういう番組も久々に見たし、
よく歳を重ねるにつれ演歌が好きになってくる、みたいなことも聞くから、
実は少しは好きになってんのかなとか思いつつ見てたんだけどね、
どうしてもダメだねまだ。まだ?いつかは好きになるとも思えないけどなぁ。
ああいう究極のワンパターンが安心していいとか、
実は一曲一曲全然違うんだ、とか、そういう人がいるのは実はすごくよくわかるんだよ。
俺が大好きな「ブルース」という音楽だって、ある意味究極のワンパターンだし、
でもそれゆえ無限に自由だし、みたいなきっと演歌が好きな人の理由と
俺がブルース好きな理由って同じなのかもしれないとも思う。
でもね、それら全部踏まえてもなお、やっぱり好きになれないんだよなぁ。
新井満さんが以前、興味深いことを俺に話してくれたことがある。
「演歌の歌詞って、もう何百年も昔の万葉集の頃から進化してない」って。
だからジェロの「海雪」に一票を投じた・・
という、こういう人が作詞大賞の審査員であることも俺は嬉しいし、
しかも本当にそれが大賞になるっていうのもやはり捨てたもんじゃないと思う。
さて、そんなこと言いながらも俺は自分の書く作品で最近思ったことがある。
自分にとっての最新作である「Alive」って歌でね、
「雲は突き放すように ただ ちぎれて そのあとまた ふわりと結んだ」
ってとこは、「方丈記」の
「よどみに浮かぶうたかたはかつ消えかつ結びて」ってとこと同じだし、
「外国の民家で干されてるシャツ」
ってとこは、万葉集
「衣ほしたる天の香具山」
と一緒じゃん!な~んも新しくねぇ~!(笑)