前回挙げた、生涯お気に入りマンガの中にもあったけど、
「刑務所の中」(花輪和一著)っていうマンガがある。
かなりマイナーな物だが、一応映画にもなった。
この作者、銃刀法違反で本当に刑務所に入った人である。
所内の細かい描写がとつとつと描かれている。
別に何のオチもなく終わっていく。
その中で、主人公がトイレをしてる最中、
刑務官が何か言ったときに、
「あ、はーい」って返事するシーンがあるんだけど、
「ハイ!」っていう返事ではなく、
「あ、はーい」っていう、返事の仕方に
ずいぶんと感動(!?)したものだ。
刑務所っていうと、およそ人間が考えうる、最悪最低状態の環境。
相当な絶望状態なはずである。
そんな中で、なんとなく、既にそこに溶け込んでいて、
素直でもあり、ポジティブな感じが、「あ、はーい」には漂う。
このマンガのこのシーンを見て、俺はかなりポジティブになったと思う。